立教大学地区
区域図
不燃化促進事業
立教大学周辺地区では、1984年(昭和59年から、広域避難場所である立教大学の安全性を高めるために都市防災不燃化促進事業がおこなわれました。小野は前職で調査段階から関わり、独立後も引き続いて防災まちづくりに取り組んできました。
不燃化促進事業は、建物の不燃化を行う事業で、まちづくりのメニューはありません。そこで、地元の不燃化まちづくり協議会の皆さんと一緒にまちづくり計画を立案し、区に提案しました。それらのいくつかは実現することができました。
緑縁空間整備事業
災害時の拠点として重要な学校の境界部分を整備することによって、地域との縁(えにし)を深めることを目的にした事業です。池袋第三小学校と道和中学校で実現しました。
補助172号線
対象地区を分断するように計画されていた都市計画道路。その是非について不燃化まちづくり協議会の場で徹底的に話し合いました。
街並み誘導型地区計画
事業化された補助172号線の沿道で、秩序だった建て替えが行われるように、住民参加で計画を立案し、街並み誘導型地区計画を策定しました。
緑縁空間整備事業
池三ひろば
まちかどギャラリー
正門
池袋第三小学校の緑化
緑縁空間整備事業のモデル校として選ばれた池袋第三小学校では、学校とPTA、不燃化まちづくりの会の代表者で、池三小みどりの会をつくり、計画案を検討しました。
都会の学校ということで、ほとんど余裕のない中、校舎の周辺などの利用されていない場所を活用して、広場や緑地を整備しました。
工事が完成後も、池三小みどりの会では定期的な清掃を行い、今日まで継続しています。
道和中学校の緑化
池袋第三小学校に引き続いて道和中学校でも緑縁空間整備が行われました。、残念ながら、豊島区の学校の統廃合により校舎の建て替えが行われ、施設は部分的に残るのみとなりました。
補助172号線
補助172号線
話し合いの成果
不燃化促進事業が始まった時には、都市計画道路補助172号線は計画決定がなされていませんでした。地区内には賛成と反対の声がありました。しかし、両者の対話はまったくありませんでした。
そこで不燃化まちづくり協議会では、双方が徹底的に話し合う場をつくりました。何回かの話し合いの末に、道路の意義は認めるが環境にも配慮する必要があるとの見解が大勢を占めるようになりました。
都市計画道路が事業化されると、協議会では東京都と道路構造について協議を行いました。心配される騒音や排気ガスの影響を少なくしたいからです。その結果、協議会が求める、歩道の拡張やシラカシの並木とすることが決定されました。
街並み誘導型地区計画
アメニティ形成指針
補助172号線の事業化を受けて、不燃化まちづくり協議会では、沿道で起こる建て替えによって無秩序な街並みとならないように、建物の高さや用途、色彩などを検討しました。それを受けて豊島区ではアメニティ形成指針策定して指導を行いました。
街並み誘導型都市計画
アメニティ形成指針をより実効性のあるものにするため、また、道路の後背地でも建て替えしやすくするために地区計画の検討を行いました。
協議会が地区計画の提案説明会を行いました。最初の説明会では多くの異論が出されたために再検討を行い、より建て替えがしやすい計画として取りまとめました。
豊島区では協議会の提案に基づいて、街並み誘導型地区計画を策定しました。